半身。然るに片羽。
一葉:18歳
*・゜゚・*:.。..。.:*・
「本日はお忙しい中を御越し越しくださいまして、誠にありがとうございます。
故人に代わりまして御礼申し上げます」
馬鹿の一つ覚えのように、繰り返す。
弔問客は俺の横にちょこんと座っている瑞葉を見ては、涙ぐんでいく。
吐く息も白く、町の葬儀社の祭壇室は冷んやりとしている。
瑞葉におじいちゃんがカイロを渡した。
「瑞葉、向こうで梅香と遊んでおいで。ほら、静流も静流のおばあちゃんも一緒にいてくれるから」
俺の言葉に瑞葉は無言だった。
「みーずはー」
梅香は瑞葉をずっと呼んでくれていた。