半身。然るに片羽。
一葉:15歳
*・゜゚・*:.。..。.:*

「ニィー」

小さなもみじの様な手を伸ばしてくる。

「ただいま、瑞葉(ミズハ)」

と小さな体を抱き寄せると、鼻腔に甘い香りが広がった。
スベスベの頬にキスをすると、くすぐったいのかきゃははと笑う。

瑞葉を見つめる。

堪らなく幸せな瞬間。

「相変わらずバカ兄貴で」

って今日は俺1人じゃないんだった。

「もーしゃん、しーしゃん」

まだ舌っ足らずな瑞葉が挨拶をすると静流も瑞葉に返していた。

「今日は瑞葉ちゃん」

桃の冷ややかな目をかわしながら、瑞葉を置く。

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