35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
episode3 ユウキの後悔

捨て猫拾われました


その日は朝から雨が降っていてどうにも気分が乗らないイヤな感じで。
おまけに熱っぽいし頭痛も始まってしまいこれからラジオの生放送だったにもかかわらず、俺はヒロトとタカトに後を任せて帰宅することになってしまった。

「ここで降ろしてくれればいい」

目の前に駅がある。
ここからなら電車で一駅。
移動車にはこれからラジオ局に入るヒロトとタカトが乗っている。
俺を送るために俺のマンションに行こうとしたらラジオ局に入るのが遅くなってしまう。

かといって、ラジオ局で二人をおろした後、うちに送ってもらうのも遠回りだし、渋滞を考慮するとどちらを先にしてもかなり時間がかかってしまう。

「すぐに帰りたいから」
マネージャーの木田川さんが一緒に降りて送ると主張したけれど、ラジオ局側に俺の不在を説明する役目があるだろうからとやんわりと断った。

だいたい、ヒロトはお調子者だし、タカトは言葉が足りない。あの二人に任せるのはどうかと思うんだ。
勝手な彼らをまとめてひとつにする、そんな役目はいつも俺だった。
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