君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
過去との決別
その週末。私は彼の部屋に転がり込んだ。

本格的な引っ越しは後日するとして、当面必要なものは彼が車で運んでくれて、空いていたクローゼットが私の私物でいっぱいになった。

一緒に迎えた初めての休日の昼食には、レシピ本片手にほうれん草と鶏肉のクリームパスタを作り、大成功。


「葉月、手際いいじゃないか」
「頑張りました。ニンニクがいい仕事してますね」


おそらく、料理上手な女性ならこれくらい難なく作ってしまうだろうし、他にも何品か並ぶだろう。
それなのに文句を言うどころか褒めてくれる彼は優しい。


「俺、パスタ茹でただけだもんな。完全にリードされてる」


本当に悔しそうな彼がおかしい。


「悠馬さんはとりあえず目玉焼きですね」


卵を割れるようにはなったけれど、まだ黄身が崩れてしまうことが多い。


「難しすぎるって」


あんなに完璧に仕事をなす人の言葉とは思えない。
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