君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
失敗は始まりでした
キャシーさんがアメリカに戻り、また平穏な日々が訪れた。

その日はお風呂から上がると、悠馬さんが電話をしている。


「だから……。はー」


なぜか盛大なため息をついている彼は、私がリビングに入っていくと、交代で出ていってしまう。

聞かれたくない話だったのかな。


冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターのボトルのふたをひねり、コップに注いでごくごくと飲み干す。
お風呂で温まった体に、スーッと冷たい水が入っていく瞬間が好きだ。


そうこうしているうちに、彼が戻ってきた。


「お先にありがとうございました」
「うん。俺も入ってくる」


悠馬さんは電話の内容に触れることなく、バスルームに行ってしまう。

気になりはしたものの、深刻そうな顔をしていなかったので、なにも聞かないでおいた。
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