愛してるのに愛せない。
第Ⅴ章
あの日から、私はまたおしゃれをすることをやめた。

「くー。」

「あ、良助。」

今では、良助くんのことを、くんなしで呼ぶようになっていた。
私が、認められない竜姫となってから、もう二ヶ月が過ぎようとしていた。

「大変だ!」

私と良助が、砂浜にいると、誰かの声が聞こえてくる。
二人で顔を見合わせて、倉庫へと戻る。


「どうした。」

「蛇(スネーク)が、竜鬼潰しを始めました!
俺ら、コンビニに行ったら、待ち伏せされえてて!!!」

倉庫の中心には、顔に傷を負った三人のひとが、海斗さんに事情説明をしている。

「・・・・一人いない。」

いつも、倉庫内で、はしゃいでた四人組み。
とても仲良しで、羨ましくてよく見ていたから、誰がいないのかはすぐに分かった。

「コンビニ・・・。」

何度か、良助と一緒に行ったコンビニに行って、そこで奇襲をかけられたのだろう。

「行かなきゃ・・・。」

そう言って走り出す。

「くー!?」

後ろで、良助が私を呼ぶ声がするも、私は無視して走り続けた。
ここから、コンビにまでは歩いて30分くらいだった。
走れば間に15分というところだろうか。

「急がないと・・・・。」

角を曲がった時だった。

「・・・・っ!」

何かの気配が、闇の中から感じる。
足を止めて耳をすませると、バキッ!やら、ドスッ!やら、何かを殴る鈍い音が聞こえる・・・。
おそるおそる、奥に進む。

「・・・ってんだろうが!」

「うっ・・・・!!」

そこにいたのは、地面に横たわっている、四人組みの一人の人と、

「吐けや!!」

その人を蹴り上げる、蛇の人四人。

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