短編集
君が左手でタバコを吸う理由
「ここはこうして・・・。」

隣で後輩に資料の作成について説明してるのを横目で見ていた。

「ありがとうございました。作り直してすぐに持ってきます。」

そう言って頭を下げると、颯爽と去っていった。

「頑張れ。」

それを笑顔で見送ると、右手でペンを走らせ始めた。

「なぁ、お前さ・・・。」

「なんだよ。」

そう問いかけた俺を、ペンを止めて見る。

「・・・いや、なんでもないや。」

そう言ってパソコンを打ち始めた俺を不思議そうに見てから、小首を傾げ再びペンを走らせる。

「・・・よし。」

一段落終えた俺は、伸びをして、隣のあいつを見る。
どうやら、あいつも一段落を終えたようだ。

「なぁ、一服しにいこうぜ。」

そう言った俺をみて小さく笑うと、

「ヘビースモーカーめ。」

そう言って立ちあがった。
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