冷酷な王さまは愛し方を知らない

魔の手



穏やかな日々だった。
王妃になって、いろいろと悩むことや忙しい日々も続いたりもしたけれど。
隣にはいつもアルさまがいて。

優しい仲間たちがいて。


コハクくんが調べてくれているアルさま暗殺計画も今は動きはないようで、それはとても穏やかな日々に思えた。
こんな日々が、いつまでも続けばいいと―――――。



「国境近くの村が野党に襲われたと報せが来ました」

「えっ」

「心配には及びません。現地の騎士が対処いたしましたから。ですが、後処理の方にいかなくてはいけません」

「そう…」



キースさんは戦場に赴くことはない。
でも、こういうなにか起きた後の後処理などで㎝になった場所を訪れることはある。
今回もそれで赴くことになったのだと報告を受けている。



「それに、コハクも同行させるつもりですが、よろしいですか?」

「コハクくんを?それは、コハクくんが了承しているなら私は…」

「でしたら、意志を確認し同行させます」

「危険なの…?」



コハクくんをどうこうさせるくらいだ。
まだ危険が残っているという事だろう。


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