うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
『正しい嫉妬のススメ』
副社長が住むマンションを訪れてから早一ヵ月。この日も私は、社長秘書として通常通り業務に当たっていた。

「社長、lovelyの社長から創設三十年記念パーティーへの招待状が届いておりますが、いかがなさいますか?」

【lovely】は、我が社と同じ急成長著しい家電メーカー。創設されたのも、五年ほどしか変わらないライバル会社だ。

けれどlovelyの社長と社長は、なんと高校・大学が同じ同級生で、今も交流が続いているほど仲が良い。

「そうか、もう三十年になるのか……。もちろん出席で提出してくれ」

「かしこまりました」

社長は感慨深そうに話した後、もちろん出席と告げた。

これまで業績は我が社の方が上だったが、ここ最近、lovelyは若い女性をターゲットにした美容家電の開発に力を入れ始め、それがヒットし業績はうなぎ上り。

重役の中には、社長がlovelyの社長と親しい関係であることを、心配する者も少なくない。
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