うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
入社式の際、『皆さん、ひとりひとりの力があってこその我が社です。どうぞ存分に実力を発揮してください。社長として皆さんが楽しい、遣り甲斐があると思えるような職場環境を提供していきます』と話してくれた社長に感銘を受け、ずっと尊敬してきた。

だから社長の第一秘書への異動が出た際は、飛び上がるほど嬉しかった。

尊敬している社長のために、精いっぱい職務を全うしよう。

その想いは半年経っても変わらない。……知られざる社長の意外な一面を知った今も。

書類を手にドアを数回ノックし「社長、井上です」と名乗ると、向こう側から「入ってくれ」の声が聞こえてきた。

「失礼します」と断りを入れ社長室へ入り、ドアを閉めると案の定な光景が目に飛び込んできた。

ガラス張りの大きな窓からは、午後の暖かな太陽の日差しが床に落ちている。

手前には来客用の黒の高級レザーが使われたソファがテーブルを挟んで二組置かれており、奥の中央に社長席がある。
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