うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
やっと気持ちを伝えることができて、彼にもそれが伝わって舞い上がっていたけれど、私……今、彼に抱きしめられているんだよね?

ついさっきまで触れられただけで、ドキドキしていた自分はどこにいった?

いや、でもこうして冷静になってくると、やっぱりドキドキしてやばい。

それにTシャツ越しに彼の鼓動が響き、副社長の濡れた髪から雫が頬に落ちてくる。

それがまたリアルに彼に抱きしめられていると認識させられる。

やっと本当の恋人になれたことは嬉しいけれど、だめだ。恋愛初心者の私は容量オーバーです。

たまらず白旗を上げた。

「すみません副社長……もうドキドキし過ぎて限界です」

素直に自分の現状を伝えたのに、なぜか副社長のツボに入ったようで、珍しく「ブハッ」と噴き出すと、離してくれるどころか、さらにギューッと抱きしめられてしまった。
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