うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
そんなある日。仕事を終え帰宅後、自炊した料理を食べ終える頃、スマホが鳴った。

電話は実家からで出ると、すぐにお母さんの陽気な声が聞こえてきた。

『日葵、久しぶり。元気?』

「うん。……お母さんも元気そう」

『えぇ、こっちはみんな元気にやっているわよ』

時折兄弟たちの騒がしい声が聞こえてきて和まされる。

『実はね、日葵に嬉しい報告があるの』

「え、嬉しい報告?」

聞き返すとお母さんは声を弾ませ言った。

『えぇ、なんと隼人に結婚を前提に付き合っている彼女ができたの』

「嘘……本当に?」

隼人はこれまでに何人か彼女を家に連れてきたことがあった。けれど結婚を前提にって言うほど、大切な人ができたんだ。

歳が近く、一番仲が良かったからまるで自分のことのように嬉しくなる。

「そっか。じゃあ隼人に【おめでとう】ってメッセージを送らないと」

『あら、メッセージじゃなくて直接言えばいいじゃない』

「――え?」
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