僕はキミの心臓になりたい
君がくれた夏



1学期最後のテストも無事終わり

いよいよ夏休みを迎えた。



花火大会当日。



花火大会のせいか、外の街並みがいつもより賑やかに感じた。


それは家の中でも……



「も〜お母さん遅れちゃうよ!」


「大丈夫よ!時間までには終わらせるから」



私は居間で、お母さんの手による浴衣の着付けをしてもらっていた。


お母さんは慣れない着付けにかなり苦戦してるようだ。



「だからいいって言ったのに」


「久しぶりなんだからいいじゃない!」



私が友達と花火大会に行くと話すと

お母さんは嬉しそうにタンスから浴衣を

引っ張り出してきたのだ。



今まで友達と出かけることがなかったので

余計に嬉しかったのだろう。



「はい、できた!」



後ろでお母さんが満足げに言ったのを聞いて

私は玄関にある姿見の前に移動した。


淡いピンク色の浴衣を着た見慣れない自分に戸惑う。


こんな格好で行って大丈夫かな?


たぶん羽賀くんびっくりするよね……



< 79 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop