秘密の恋は1年後

【ランチ、美味かったか?】

 やっと尚斗さんから連絡が来たのは、帰宅して部屋のドアを開けた瞬間だった。今日のことを早速愛斗さんから聞いたのだろう。


【とても美味しかったです! 今日は何時頃に帰れそうですか?】

 自然と笑顔がよみがえり、チャンスを逃すまいとすぐに送り返した。疑問符を付けて送れば無視はしないだろうと思ったのに、既読が付いてしばらく経っても、それ以上の返信はない。

 食事を済ませても、お風呂に入って一日の疲れを癒しても、ベッドに入ってからも。
 彼は私の返事を読むだけ読んで、返事をくれることはなかった。


「もうちょっと構ってほしいなぁ」

 忙しいのは分かってるけれど、でもやっぱり、もうちょっとでいいから……。
 ウトウトしながらも寂しさを呟いたら、枕元に置いておいた携帯がまた短く鳴った。


【おやすみ】

 それだけ送られてきて、すかさず私も【お疲れ様でした! おやすみなさい】と返したのに、また既読通知だけ。
 せっかくだから、もう少しやりとりしたいけど、ここは我慢しなくちゃ!
 とにかく、約三日ぶりの連絡が嬉しくてたまらず、枕をギュッと抱きしめた。

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