season
大切な人
早朝に菜々子と公園で話した後…




私はその足で、春馬くんの家に向かった。






「おはよ。どうした?こんな早くに。」




まだ眠そうな顔でひょこっと玄関から顔を出す春馬くん。




「ごめんね、早くに。でも……会いたくて。」



いつもの春馬くんなら、私が会いたいとかって言えば、ぎゅーってハグしたりするところだけれど…




今日の春馬くんは違う。



私の声のトーンで“会いたかった”の意味を理解してくれたようで…





「どうぞ。中でゆっくり話そっか。」




そう言って、微笑んだ。





春馬くんには絶対話さないって、そう思ってたけれど。




でも、春馬くんに知って欲しいんだ。




私には、大貴と菜々子っていう、大事な幼なじみがいるんだってこと。



その幼なじみが、本気で心配してくれてるんだってこと。







だけど…やっぱり心配なのは、ただ一つ。




大貴が反対してるって話したら、春馬くんはどう思うのかな。



もしかしたら…




別れようって言われちゃうのかな…。

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