バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
息の詰まるような部室内の雰囲気に吐き気がして、透子はギュッと目を瞑った。

それから直ぐに、悠輝がこれからの話を全部録音すると皆に告げて、まず透子にいくつかの質問をする。

①階段の踊り場から突き落としたのは誰か?
②何故花音を突き落としたのか?
③他に誰か一緒だったのか?
④突き落としてからとった行動は?

これらの質問は、透子の表情を見逃さないように、彼女の目を睨みつけながら始められた。

その射るような悠輝の視線に、透子は縮み上がってしまいそうな恐怖を覚えたが、意を決して答えていく。

『妹さんを突き落としたのは私です』

『その理由は…』

そこまで言って、悠輝以外の人物からの自分に向けられる鋭い視線に言葉を失ってしまった。

『ちゃんと言いなさいよね。あなた一人がやったことなんだから』

そう口を挿む優花に、悠輝が黙れ!と強い口調で制する。

すると、自分のカノジョに何と言う言い方だと、理人が怒りを露わにした。

『今は吉永さんへの質問だから、理人と多度さんは黙っていてちょうだい』

桜子が二人を交互に見やるが、特に優花に向けてキツく告げると、理人が不満そうな顔を見せた。

それでも桜子は動じない。

そして透子に向かって、

『本当のことを言いなさい。言いたいことを今言わないと、きっと後悔するわ。それとも、このまま警察に突き出されてもいいの?』





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