バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
透子がスマホを操作して直ぐに、明らかにそれが優花のものと分かるが、普段よりも低くてドスのきいた声と、透子とのやりとりの様子が聞こえてきた。

「あなたね、あのことバラされてもいいの?早く持って来なさいよ。一万円足りないの。友達が待っているから直ぐにね!」

「でも私今から塾に行かないといけなくて…」

「じゃあいいの?みんなに言ったら、どうなっちゃうのかしらね」

「…」

このあと、透子は仕方なく、優花の指定した場所に金を届けたそうだ。

そして次に聞こえてきたものに、悠輝、桜子そして理人が驚愕の色を浮かべる。

「私、そんなこと…嵯峨野さんに危害を加えるなんて、出来ないよ」

「いいの?あのことみんなに言うわよ。ちょっとあの子の身体を押してくれたらいいだけよ、階段でね」

「でも…」

「大丈夫よ、ちょっとだけだから、ね?」

それから2日後、休み時間に階段の踊り場へと花音を呼び出した優花と透子は、実行に移したのだ。

再生が終わって、透子以外は皆顔面蒼白になり、悠輝は口を真一文字に結び、テーブルを握り拳で叩く。

そして理人だが、目を見開いたまま優花を見ている。

その時優花が理人に駆け寄って、抱き着こうとした。

『止めてくれ。お前何してんだよ。花音は危うく、大怪我するところだったんだぞ。どうするつもりだよ。ハア~』

『理人、話を聞いて。私、あなたを愛しているの。だから…』
尚も続ける優花に理人が言う。

『もう止めろ。恥をかかせやがって…俺の面目丸つぶれだよ』

そう呟いて、ガックリしてしまった。
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