お見合いだけど、恋することからはじめよう
Chapter 3 ☆彡 初カレの目黒先輩


田中さんからLINEでデートのお誘いが来た。

【急で悪いけど、今ものすごく忙しくて、今度の日曜しか時間が取れない】

それでなくても、一月は通常国会が始まるため省庁が忙しくなる時期なのに、よりによって勤務する証券取引等監視委員会が、目産のコーン会長を有価証券報告書の虚偽記載の疑いによる金融商品取引法違反で、検察庁に告発したのだ。

そんな中でも、たった一回、お見合いで会ったばかりのあたしのために、わざわざ時間を割いてくれるというからには、

【うちの父も忙しくしてるので承知してます】
【そちらの都合に合わせます】

としか、送れないじゃないか。

結局、その日のうちに既読になることはなく、翌朝チェックすると、

【ありがとう】

と、たった一言、未明の時間帯に届いていた。

あたしは、ふと思った。

それこそ生まれたときから、殺人的な忙しさの「官僚」の父親を見てきたため、なんとも思わないけれど……

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