いつも、いつまでも、この桃色の空の下で。
「また・・・君に会いに来ちゃったよ・・。」

小さく笑いながら、男は花束を抱え微笑む。

「だめだな・・・君を忘れたいのに、忘れられないんだ・・・。」

自嘲的に笑う男は、どこか苦しそうに見える。

「・・・・。」

何も言わない彼女に、男はまた言葉を続ける。

「・・・ごめんな。」

彼女を見た男は、そっと彼女の前に花束を置く。
じっと数秒の間彼女を見つめると、桃色の空を見上げる。

「懐かしい空の色だな・・。
君と出会ったのも、ちょうどこのくらいの空の色をしていたね。」

「・・・・。」

ふっと笑うと、何も言わずに立ち去る。
きっとまた男は、彼女に会いに来るのだろう。

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