無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
その後、二人は駅前まで移動し、まず、タクシーで彩月の家に向かった。

「送ってくれてありがとう。明日は久しぶりの土曜休だからゆっくりしてね」

タクシーを降りると、彩月は駿太郎にそう挨拶をした。

「明日,,,」

「あした?」

「なにか用事があるのか?」

駿太郎の言葉に、彩月は一瞬首をかしげたが、

「洗濯かな?」

と笑って答えた。

「9時にモール前の駅の東口で待ってる,,,。運転手さん、出してください」

吐き捨てるようにいつもの無表情で言うと、駿太郎を乗せたタクシーはあっという間にその場を去って行った。

「9時?,,,駅前?」

彩月の頭の中は?が飛び交っていたが、もしかしたら駿太郎は何か彩月に相談があるのかもしれない。

もうすでに1時を回っている。

「とにかく、シャワー浴びて寝よ」

体育会系の彩月は男友達も多い。あまり深く考えることなく、家路につくのだった。
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