無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
その言葉は駿太郎にとってはちょっとした衝撃だった。

"好きなものを共有する"

心を閉ざしてきた駿太郎にとって、主語はいつも"I(俺)"だった。

誰かと何かを共有したいという感情は、彩月と出会ってから初めて知った感情だ。

「趣味も仕事も同じだと思うの。お互いの思いを共有する場。いつもランニングに付き合ってもらってるし、私の好きなものも駿太郎に共有してもらいたくて。あ、ほら、今日はモネの絵も展示されてるんだよ。」

"印象派の絵が好きだ"

と彩月は言った。

「この後,,,行きたいところがあるんだけどいいか?」

モネの絵のレプリカを見ながら、駿太郎は彩月に言った。

"彩月のことを知りたい。そして、俺のことも知ってほしい"

ゆっくりと館内を見て回りながら、二人はお互いの好きなことについて話をした。

二人の距離がグンと近づいた瞬間だった。
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