サンフランシスコ国際空港に着いたのは、現地時間の午前10時だった。

空港に着くと、税関で渡航目的を聞かれる。就労ビザを見せて無事にアメリカ国内に入ることができた。

手荷物を受け取り、入国ゲートを潜ると

「For a long time no see you,Satsuki」
(ひさしぶり、彩月)

背が高く、キリッとしたイケメンの王子さま風男性が彩月に抱きついてきた。

彩月もためらうことなく、そのハグを受けている。

思わず、駿太郎は彩月の腕を引いて二人を引き剥がした。

「あ、紹介するね。幼馴染みのKen(賢)だよ。日本人のお父さんとアメリカ人のお母さんのハーフなんだ。賢、こちらは私のボーイフレンドの駿太郎。一緒の会社なの」

「はじめまして。駿太郎。どうぞよろしく」

賢は、片言の日本語で挨拶をしながら笑顔で駿太郎と握手を交わすが、心なしか眼が笑っていない。

「baby face,,,」

童顔だと?

初対面で気にしていることを英語で呟くなんて、喧嘩を売ってるとしか思えない。

賢は二人をマイカーをとめた駐車場まで案内した。

波乱の幕開けの予感がしたのは気のせいではあるまい。