一途な御曹司に愛されすぎてます
 何度も自問自答しながら、どうしてこんな言い訳めいたことを自分に言い聞かせているのかと思う。

 そんな複雑な感情から目を逸らしたくて、私はシャンパンを口に含んだ。

 エレガントな味と香りが、ついさっきまで目の前にいた人を思い起こさせる。

 明日、またあの人に会えるんだ……。


 黄金色の液体が喉を通り過ぎる毎に、彼と過ごす時間を楽しみに思う気持ちが、まるでこのシャンパンの泡のように次から次へと浮き立ってくる。


 あまり酔わないようにセーブしなきゃと思いながら、気がつけば私はまた、グラスを傾けていた。




< 122 / 238 >

この作品をシェア

pagetop