一途な御曹司に愛されすぎてます
シャンパンのような王子様
「いかがですか? 当ホテル自慢のトルテのお味は」
「とっても美味しいです……」
ここは豪華絢爛なロイヤルスイートルーム。
ビロードのような夜の帳に覆われた窓の外には、煌々と照る月。
そしてラグジュアリーな猫脚テーブルの上に置かれた、チョコレート・トルテ。
そしてそして、私の隣にはリゾート業界のイケメン御曹司様が、悠々とシャンパングラスを傾けていらっしゃる。
ああ、この嘘みたいな現実、夢ならどうか覚めて……。
「よろしければもう一切れ召し上がりませんか?」
「あ、いただきます」
専務さんが手ずから切り分けてくれたトルテを、素直にまたひと口。
うまく餌付けされている自覚はあるけれど、美味しいものは美味しいのだからしかたない。
コクのあるアーモンドの香りがミルクチョコレートの滑らかな甘みとうまく融合して、オレンジピールの新鮮な風味とココアパウダーの苦みが、絶妙な配分でアクセントになっている。
その全体を受け止めるビターチョコレートが持つ濃厚で力強い味わいたるや、まさに王者の風格。
「とっても美味しいです……」
ここは豪華絢爛なロイヤルスイートルーム。
ビロードのような夜の帳に覆われた窓の外には、煌々と照る月。
そしてラグジュアリーな猫脚テーブルの上に置かれた、チョコレート・トルテ。
そしてそして、私の隣にはリゾート業界のイケメン御曹司様が、悠々とシャンパングラスを傾けていらっしゃる。
ああ、この嘘みたいな現実、夢ならどうか覚めて……。
「よろしければもう一切れ召し上がりませんか?」
「あ、いただきます」
専務さんが手ずから切り分けてくれたトルテを、素直にまたひと口。
うまく餌付けされている自覚はあるけれど、美味しいものは美味しいのだからしかたない。
コクのあるアーモンドの香りがミルクチョコレートの滑らかな甘みとうまく融合して、オレンジピールの新鮮な風味とココアパウダーの苦みが、絶妙な配分でアクセントになっている。
その全体を受け止めるビターチョコレートが持つ濃厚で力強い味わいたるや、まさに王者の風格。