なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
花火大会とイケメン達の攻防戦

花火大会当日。
その日も午前中は谷村くんと教習所に行き路上講習を受けた。
免許取得までの教習は順調で、そろそろ卒業試験だ。

その後、運転試験場に試験を受けに行けば晴れて運転免許の獲得である。

本日の講習も無事に済めば、もうお昼である。

「咲ちゃん、今日楽しみにしてるからね!浴衣でくるよね?」

子犬男子の見かけで笑顔の圧力が……。
もう、最近多くない?
多いよ!!

「浴衣は動きづらいから、やめとく……」

私はそこは抵抗した。
だって人混みは着崩れしやすいし、疲れるし、暑いのだ。

そうキッパリめに言った私に、谷村くんは少ししょんぼりしつつも顔をあげた時には笑顔で言った。

「そっか。でも一緒に出店を回って花火を見られるだけ、良しとしようか」

にっこり。
これはホントの笑顔だ。
こういう時の顔は可愛いけどカッコイイ感じで、なんとも言い難い。
イケメンってずるい!

これに尽きる。

そうして帰宅すると、お昼を食べたあとの私はクローゼットを前にして悩んでいた。

Tシャツにデニムでは、超普段着である。
かと言って浴衣は嫌だし……。

「ここは無難にワンピース?」

そう呟きつつ、シフォンのワンピースやら小花柄のシャツワンピースなどを出しては当てて鏡で見るを繰り返す。
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