君と運命の恋をもう一度
3年前の雨の日

21歳の夏、俺はただのダメな人間だった。

親に反発して、家を飛び出して夜の街に出た。
金もなくて、家もなくて、ちょっと肩の当たった奴らに絡んでケンカして。
適当な女に声をかけて、酒を飲んで、その日の宿を確保して。
ろくでもない事しかしていなかった。

君に会ったあの日も、『今日の宿を見つけた』それぐらいしか考えていなかった。

そのころ仲間だと思い込んでいた、悪い奴らに乗せられるまま、傘をさして歩いていた君に声をかけた。
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