* Reality * ~鏡の顔~

ミッション

全ての商談、外出を終え社内に戻ったのは7時を回った時間。



「専務お疲れ様です。毎日がこの様な感じのルーティンなのでしょうか?」


「ああそうだな。今日はまだ胡桃効果でいつもよりスムーズに進んだ気がするよ。」


案外思ってたより真面目に働いているんだ…調査書に書かれている内容は名前だけの専務だったから。


本当の姿は───出来損ないを演じてるだけ?
策士は味方さえ騙すから…私の正体バレない様に細心の注意が必要ね。


「今夜は今から会食となっていますが…。」


「ああ、今日は俺だけで行くから下にタクシーを呼んでおいてくれ。胡桃は帰っていいよ。」


「会食先までお送りする事も可能ですが?」


「ああ大丈夫だ。ありがとう、お疲れ。」


「わかりました。ではお先に失礼します。」


私は1人エレベーター乗り 更衣室に鞄を取りに行く。


やっと1人になれた…。今回の秘書の仕事はほぼ専務にべったりだから、気を休める時間は皆無。






< 22 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop