処刑バッヂ
探す
麻央と別れた後、あたしは涼希を探していた。


アラームが鳴る度に教室やトイレに身を隠しながら移動する。


移動しながらもあたしは必死で真奈の存在を思い出そうとしていた。


麻央と一緒にいた子なら、少しは会話もしていたはずだ。


顔を思い出す事はできるけれど、会話の内容は全然思い出すことができない。


いつものメンバーが集まればつい馴れている友人たちとの会話を優先させてしまう。


それが悪かったんだろう。


あたしは一旦教室へ入り、教卓の下に身を隠してスマホで時間を確認した。


夜中の4時半を過ぎたところだ。


あと数時間で夜明けが来る。


この調子でいけば助かるかもしれないけれど、犯人がこのままで終わらせるとも思えなかった。
< 169 / 229 >

この作品をシェア

pagetop