処刑バッヂ
「ちょっとなにそれ。全然笑えないんだけど」


麻央が早口でそう言った。


「冗談で言ってるワケじゃない。本当なんだ」


和馬が言う。


「わかった! 2人ともトオルとグルなんでしょ? それであたしたちを脅かそうとしてるんだ!」


梨央の声はほとんど叫び声のようになっている。


「とにかく落ち着け。一旦教室へ戻ろう」


落ち着いた口調でそう言ったのは涼希だった。


「学校外へは出られないし、電話も通じない。でも、トオルのサプライズ演出ならなんの問題もないはずだ。な?」


涼希の言葉に、緊迫した空気が少しだけ緩んだ気がした。
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