処刑バッヂ
「クリスマスだもんね。なにかサプライズでも用意してるのかも」


「トオルのことだもんな。あいつ彼女いないし、寂しくて呼んでるのかもしれないけどな」


涼希はそう言って笑った。


確かに、1人ぼっちのクリスマスじゃ寂しいかもしれない。


「どうする? 行ってみる?」


そう聞くと、涼希はチラリとあたしを見て顔を近づけて来た。


ドキドキする暇もなく合わさる唇。


「せっかく2人きりのクリスマスを楽しもうと思ってたのに」


身を引いた涼希はそう言い、あたしの頭をクシャッと撫でた。


「仕方ないから学校に行ってやろう」


涼希がそう言って立ち上がった時、あたしはようやく顔がカッと熱くなるのを感じたのだった。
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