処刑バッヂ
捕まる
3度目のアラーム音が鳴り響いたのはその数分後のことだった。


あたしと涼希は咄嗟に身を寄せ、ライトを消して様子を伺った。


食堂の外で誰かが走っている音が聞こえて来る。


「来るな! 来るなよ!」


その悲鳴は和馬の声だ。


あたしは息を飲んで耳を澄ませた。


1人は和馬、あと1つの足音は誰の物だろうか。


バタバタと走り回っていた足音は、アラーム音が消える頃には聞こえなくなっていた。


「……晴康だったのかな」


何も聞こえなくなってから、あたしは小声でそう言った。


和馬と同じペースで走る事ができるとすれば、同性である可能性は高い。


「そうかもしれないな」


涼希がライトを付けてそう言った。
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