ヴァーチャル・リアリティ
チケット
島に上陸すると、意外にも綺麗に整備された道があった。


大きな道は山をグルリと一周していて、中腹へ向かう道に枝分かれしている。


「こんな島でゲームができるのか?」


歩きながらそう言ったのは悠太郎だった。


悠太郎は大きな森を見上げて怪訝そうな表情を浮かべている。


「あぁ。チケットにそう書いてあった」


そう返事をしたのは陽大だ。


今回、陽大が最新VRゲームが楽しめるチケットを手に入れたということで、あたしたちはここまでやってきていた。


なんでも、オープン前のゲームセンターらしく、今日はチケットを持っている人とその同伴者しか建物内に入れないらしい。
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