7・2 の憂鬱




7月2日・・・それは、わたしの誕生日。


この日は、1年365日を半分でわけたときに、上半期にも、下半期にもならない、中立な日で。


前半にも後半にも入れてもらえない、半端な日だった。


でも、だから何なんだって話。

そんなのただの暦上でのことで、カレンダーを見なければそうと知らずに過ぎてしまう、なんてことのない一日だ。

そもそも、その日が1年の真ん中であることを知ってる人も少ないだろう。


夏至を過ぎて、梅雨があける前の、
学生時代なら、試験の真っ最中の、
普通の日なのだ。


ただ、ふとしたときに、自分が生まれた日付を深く思い出してしまうことがあった・・・・




『白河(しらかわ)さんって、いろんなとこにいい顔してるよね』
『私も思ったー!あのコ、他のグループのコとも仲良くやってるよねー』
『あっちこっちで愛想振り撒いて、何したいんだろね?』
『でもさー、そういうコって、結局誰にも信用されなくなると思わない?』
『確かに。卒業したらもう二度と会うこともなさそう』
『私もそう思うー』






・・・・・古い記憶が、ズキリと疼いた。


まあ確かに、卒業してから彼女達には会ってないけれど。


こんな陰口、子供のときから聞き慣れてるはずなのにな。


時折思い出す学生時代のワンシーンは、場合によっては、わたしの心にさざ波をたてるのだ。










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