7・2 の憂鬱




それからしばらく、また戸倉さんの姿を見かけない日が続いた。

自分の気持ちを認識したわたしは、どんな顔で戸倉さんと会ったらいいのか戸惑いもあったので、ある意味助かった部分もあった。

けれど。

「戸倉さんってば、新しいメーカーの展開を任されることになったみたいだから、最近それで忙しいのよね」

松本さんが自慢げに話してるのを聞いたとき、また、みぞおちが痛くなった。


わたしは戸倉さんからそんな話聞いてなかったから。

もちろん、戸倉さんと勝手に距離を作っていたのはわたしなのだから、自業自得なのは分かっている。


だけど、それでも嫉妬するのは止められないのだ。


「ところで白河さん、今日こそランチ一緒できる?」

わたしに嫉妬を向けられているとは露ほども思ってないのだろう、松本さんがにこやかに訊いてくる。
最近、戸倉さんがいないせいか、松本さんがよくこうやってランチに誘ってくる。

これまでなら、何回かに1回は誘いを受けていただろうけど、どうしてもあの日戸倉さんと一緒にいた松本さんが頭に浮かんでしまって、いつものように外向けの愛想が保てない自分がいた。











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