ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
第六章◆オークション


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アルバさんは一度、商店街に降りた。

この街にはベルベットの騎士団が来ていないようだから、必要なものはここで調達していくということらしい。

彼はたいして選ばずに、賑やかな商店街から必要なものをひょいひょいと取って荷物を増やしていく。

ふたり分の仮面と、上質な生地のコートを一着買った。

彼はすぐにコートを身に付けた。

そういえばシュヴァルツさんも、同じようにコートを着て出掛けていたことを思い出した。

「オークション会場ではドレスコードがある。アンタの格好なら大丈夫だ。仮面を着けて入場することになってるから、これで顔を隠せ。あとノア、子どもは入場禁止だ。そのままお嬢ちゃんの髪の中に隠れてろ」

「かしこまりました」

ノア君も私の首の後ろにぺったりと貼りつき、髪の毛の中に入り込んだ。

アルバさんから、先ほど買った金色の仮面を手渡され、私もそれを恐る恐る顔に嵌めてみる。

顔の上半分が隠れるが、違和感はなく、視界もはっきりしている。

顔を隠したことでわずかに恐怖も拭い去ることができた。

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