翼の折れた鳥たちは
6

「星原さん、ちょっといいかな」

いつものように敦也くんのリハビリを終えてリハビリ室に戻った私を、やけに深刻な表情をした部長が手招きをして事務所に呼ぶ。

私、何かしたかな。

思いつく限りのことを頭の中で巡らしてみるけれど、怒られるようなことは心当たりがない。

ほんの少しの距離なのになんだか足取り重く事務所に戻ると、そこには見慣れないスーツ姿の男性が応接ソファーに腰を下ろしている。

「初めまして。理学療法士の星原です」

部長に目配せして、おもむろに立ち上がったその男性にとりあえず挨拶をする。

部長と同じ年代の男性は、身長も高くスーツ姿が凛々しい。


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