翼の折れた鳥たちは


白い天井、白い壁紙。
病院独特の消毒の匂い。


部屋の窓が少しだけ開いていて風が入ってくる度にカーテンが揺れている。

窓の外が明るくなって、そして時間が経てば暗くなる。

あの日から、感情が動かない。

だだっ広い荒野に、真っ暗な暗闇に一人取り残されているみたいだ。

周りは泣いたり、動いたり、慌ただしく時間が流れているというのに。


俺は、動けない。

揺れているカーテンを気にして、窓を閉めることさえ出来ないでいる。

身体だけじゃない、感情も、だ。

なにかのドラマの中の主人公にでもなった気さえしてくる。

あの日から、時間が止まったままだ。
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