翼の折れた鳥たちは
10


「星原さん、ちょっといいかな」

三嶋さんとの出会いから3日後のこと。

業務を終えて私服に着替え、今日も歌うために屋上へと向かおうとしていた私に難しい顔した部長が声をかえた。


夕方、シンと静まり返った会議室で向かい合って座る。

私、なにかしたかな。

考えてみるけれど、何も思い浮かばない。

むしろ、怒られるようなことは何もしていない。

オーディションだってキャンセルして、敦也くんとバスケ観戦に行った。
今度だって敦也くんと車いすバスケの見学に行こうと企画しているし、理学療法士の仕事を自分なりに精いっぱい頑張っているのだけどな。


眉間に皺を寄せて腕組みしている部長の顔を見ながら、そんな思いが浮かんでくる。

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