俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
モヤモヤ曇る恋心


長くて楽しい夏休みは、あっという間に終わりを告げた。
結衣羽と遊んで、クラスメイトと遊んで、海にもプールにも行った。


クラスメイトの大半を集めて行われたバーベキューに大志くんは来なかった。
来る予定だったらしいが、直前になってキャンセルしたらしい。


避けられているのかも……なんて考えて落ち込んだりもしたけれど、今日から新学期、落ち込んでいる暇なんてない。


──「夏休みが終わったら覚悟しててね」


あんな宣言をしてしまったのだから。
制服を着ながら、いま頃になってそのことについて後悔している。


覚悟しててねって、私なにする気だったんだよ。
振り向かせてやる!って息巻いたけれど、具体的な行動なんて皆目見当もつかない。


鏡のなかに映る自分を見る。今日からつけようと、新しいリップを買った。可愛らしいピンク色だ。


癖っ毛の髪の毛がだいぶ伸びてきたので、ふたつ結びにした。切るか、伸ばすかは、もう少し考える。


大志くんは長いのと短いの、どっちが好きなんだろう?


聞いてみようかな。くだらない質問だけど、答えてくれるだろうか。どっちでもいいって言われそうだなと思ってクスッと笑った。


夏休みが終わったからといって、夏が終わったわけではない。朝なのに日差しは鋭いし、暑い。アスファルトに反射する光で上からも下からも熱されている。それでも夏本番よりかは、幾分かはマシに思えた。


通学路を歩いて学校に向かう。久しぶりの学校でも、無条件で大志くんと会えるのだと思うとやっぱり楽しみが大きい。


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