アスカラール
誕生日の夜に
自分の気持ちを伝える――そう宣言をしたのはいいが、簡単に行動に移すことができなかった。

毎朝の定番と化してきた成孔からのメールに答えるために、美都はメールを作成した。

『返事はいつでも構いませんので、もしよろしかったら話をしませんか?』

指で画面をタップして本文を作った…のはいいが、美都は首を横に振った。

(ダメだ、できない!)

美都は本文を削除した。

『おはようございます

今日も朝から暑いですね』

そう書くと、成孔に向けてメールを送信した。

美都は胸にスマートフォンを抱えると、息を吐いた。

「無理だ…。

恥ずかし過ぎて無理だ…」

美都は自虐的に呟くと、熱が出たと言うように額に手を当てた。
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