身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい



***


 教会からの帰路、レーナが穏やかに夢を語る。

 決意を秘めながらも凪いだレーナの瞳は、クレイグスの助手に推薦したあの時とはまるで違っていた。

 レーナが子供達に向かい、教鞭をとる。それは背伸びや焦りの一切を排除したレーナに、ピッタリと嵌まる。

 等身大のレーナに、なんとよく似合うのだろう。

 これまで俺は、レーナに対して少なからず傲りがあったように思う。

 庇護してやらなければならない。他でない俺こそが守ってやらねばと、そんな傲慢さが見え隠れしていたのではないだろうか。

 そうして俺は、あろうことかレーナに、かつて幼い俺が守る事の出来なかった母を重ねていた。

 けれど、今なら分かる。


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