"鬼"上司と仮想現実の恋
私達は桜の希望で、駅前のバルに行った。

おいしい料理とお酒を楽しみながら、女子トークに花を咲かせた。

「で? 部長って、やっぱり"鬼"でした?」

「そんな事ないよ〜。
厳しい時もあるけど、たいてい優しいよ。
頭ぽんぽんされたら、きゅんきゅんする〜」

私はいつも通り、あっという間に酔っていた。

「えぇ〜、いいなぁ。
私も頭ぽんぽんされてみたい〜。」

百合ちゃんと桜が声を揃える。

「部長はね、結婚もしてないし、彼女も
いないんだって。」

「やった!
チャンスじゃん!」

「でもね〜、寄ってきた女の子、片っ端から
断るって言ってたよ〜。
"鬼"だね〜」

私は、今日もご機嫌で飲んでいた。

3時間程飲んで、帰ろうと思ったが、あれ? 歩けない。

駅前だから、タクシーで帰ればいいと思ったけど、百合ちゃんたちは、帰してくれなかった。
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