艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
策略と花束と、婚約指輪
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葛城さんと会う約束の日まで五日ほどの猶予があった。
その間考えたのは、このことを両親に話すべきかどうか、だった。


話したら止められる、とわかっているのにそんな案が浮かんだということは、やはり私は心細かったのだろう。
私は、男の人とお付き合いをしたことがない。


高校は女子高でまず男の子と接点が極端に少なかった。それでもまったく興味がなかったわけでもないから、友達の彼の話を聞いてはきゃあきゃあ騒いだこともあるし、通学途中の他校の男の子にこっそり憧れたこともある。


逆に、よく知らない男の子から学校帰りに待ち伏せされて告白されたこともあった。理由は、通学の電車で見かけて、という、私が他の子に憧れたのと同じだった。


そんな程度のきっかけだったから、嬉しかったり照れたりもしたけれど、本当に付き合うというところまでは至らず。大学も、恋愛感情だと思えるほどに惹かれる男性には出会えなかった。


そこまで深く知り合えるほどのきっかけでもなく、興味も持てなかったということかもしれない。


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