借金取りに捕らわれて 2
謎のお隣さん
「ああ~、えっと…」




これはどうしたものか…




いやいや違った。"これを"どうしたものか…


警察に電話する?


でも、警察に通報する程?


どうすべきかと、私は扉に寄りかかりすやすやと気持ち良さそうに眠る男の子を見つめた。


住み慣れたアパートにバイトから精根尽きて帰って来たら、部屋の扉を塞ぐように眠る男の子。


中々遭遇しないシチュエーションに、眠む過ぎて瞬間的に夢を見たのかと思った程だ。


そんな訳で、この一生に一度あるかどうかの状況に、今はすっかり眠気が吹き飛んだ頭を悩ませていた。


男の子って言っても歳は20歳くらい…かな?

もしかしたらもっと年上なのかもしれないけど、寝顔のせいか若く見える…

しかも手に持ってる大きいクマのぬいぐるみがさらに幼く見せていて…

でもスーツを着てて、ほのかにお酒の臭いもするからトータルして20歳という結論にたどり着いた。



見たことはない男の子だけど…

きっと隣に越してきた子だろう。

ずっと両側の部屋が空いていたのだけれど、左側の角部屋に明かりが灯っているをつい最近見たことがあった。

手にはカギを持ってるから…私の部屋を自分の部屋と間違えたんだろうな~

お酒の匂いがするから…酔って帰って来て入ろうとしたけど鍵が開かなくて、そうこうしてる間に息尽きた。って感じかな?


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