借金取りに捕らわれて 2
「いいなー、俺も人参プリン食べたーあい!」


夏樹さんの後ろでフライパンを振っていた篤志さんが、首だけ振り返りだだをこねる子供の様に声を上げた。


「お前はさっさと料理作れ!」


それに直ぐ夏樹さんの声が飛ぶ。




篤志さん、さっき休憩入ったよね?

もしかして…


「もしかして、プリンって人数分ないんですか?」


プリンから夏樹さんに視線を向ければ、目があった彼は吊り上がっていた目を緩めた。


「ああー、出来具合みるときは玄さん、そんなに作らないから。」


「あの、私は大丈夫なので…」



と、篤志さんにプリンを渡そうとしたが…

「篤志の事は気にしなくていいから。」

それをにこりと夏樹さんの笑顔が止める。



「大丈夫、明後日食べられるから。」


「明後日ですか?」


「特別なお客さんが来るのが明後日なんだよ。
その時はたくさん作るから僕らも食べられる。
だから、篤志の事は気にしないで休憩してきな。」



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