借金取りに捕らわれて 2
「薔薇エキスと3種のベリーを使った薔薇ムースケーキ、希少種のイチゴ酒を使ったショートケーキ、芋焼酎を使ったモンブラン、芋焼酎を使ったチーズケーキ、芋焼酎を使ったガトーショコラ、芋焼酎を使ったリンゴケーキ。
6つのうち4つも芋焼酎入りのケーキなのね~、ふ~ん。」


まるで尋問だ。


「いらないなら持って帰る。」


あや姉は取られないように身をよじって箱を俺から遠ざけた。


「いらないとは言ってないでしょ。あ、り、が、と。」


そしてあや姉は「ただ」とケーキを見つめて言う。


「ヒロちゃんが好きそうなチョイスよねー」


「………」


それはそうだ。

ヒロのために買ったのだから。


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