惰性人間
キッカケ
月曜日。

あたしはいつも通り学校に行く。

道行く知り合いに「おはよう」の挨拶をして、笑顔をばらまく。

なんの変哲もない、至ってフツーの月曜日。

まぁ日常に変化など求めてないけれども。

制服は長袖で暑くて、まるで初夏のような陽気にはそぐわない。汗がじっとりと背中に浮かぶのを感じる。

そんな中前を歩く女の子は、ベストなんかを着込み、汗ひとつ浮かべず、涼しい顔をして歩いている。あたしは、なんだかうらやましかった。

「おはよっ香奈!」
「おはよぉ。今日暑くない?」
「確かにー長袖とかまぢない」

たわいもない会話。損はないけれども、得もない会話。
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