小さい頃の自分は、絵本に登場する《お姫様》が好きだった。

童話の中のお姫様は煌びやかな衣装に身を包み、高めのヒールを踏み鳴らし、圧倒的な存在感で周りを魅了して、物語を色鮮やかに色付けしていた。


彼女たちの歩く赤絨毯の先には、皆の憧れの的の王子様がいる。

周りが入り込む隙の無い二人の愛の深さに、私は子供ながらにドキドキしていた。

現実世界とはかけ離れたファンタジーな世界に憧れ、惹かれていた、幼稚園年中。


そんな私が幼稚園の先生と絵本を読んでいた時、幼馴染のクソ野郎が私に言い放った呪いの言葉。



『お前みたいなブスがお姫様になれるワケないじゃん』



まるで眠れる森の美女のお姫様を城に閉じ込める《茨》に縛られたような感覚だった。



『こっ、こらっ!真帆くん!そんな意地悪言ったらだめよっ!』



いいんです先生。言わせときましょう、ええ、ええ、私、大人ですから。幼稚園児ですけど。




この作品のキーワード
同級生  いじめっ子  ツンデレ  地味