風邪が完全に治るまで五日も掛かってしまったが、学校を休んでいる間、何もしてこなかったワケではない。

弱り掛けていたメンタルの回復、そして見よう見まねのボクシングの練習を一日三十分欠かさずに行った。その結果、鋼のメンタルと強靭な肉体を手に入れた(ような気がする)私は、今日、意気揚々と学校へ舞い戻った。



「………」



趣味の悪い堀川ファン共…!

いつでもかかってこいやア!

私の右腕は早く得意の右フックを繰り出したくてうずうずしたんだゴラァ!

そう意気込む私だったが、いざ学校へ行ってみれば。




「もうすぐだね~、文化祭!」

「うちのクラスは喫茶店だけど、そっちのクラスは何すんのー?」



クラス、いや、学校中が文化祭モード一色に染まっていた。


結局学校へ出てきてから一週間が経っても私を目の敵にする人は現れず、少し拍子抜けだったが結果オーライなのかもしれない。



「明後日までに文化祭実行委員に決定したクラスの出し物を報告しなきゃいけないんで、今日の内にみんなで決めましょう!」



そして今もクラス委員の男子が指揮を執って、出し物を決めようと奮闘している。文化祭当日まで時間はあるが、私達のクラスは出し物も決めていないから相当遅れている方だ。



「アレは?!コスプレ喫茶は?!」

「迷路やろーよ迷路!」「作るのメンドイじゃん!」

「あれってなにで作んのー?」「段ボールじゃない?」



しかしクラスメイトは焦りの色を浮かべるクラス委員長を無視して好き勝手発言を繰り返す。何とか聞き取れたものを黒板に書き込む委員長は必死そのものだ。


そんな中。一番後ろの席に座る私は、あたふたする委員長の姿を他人事のように眺めながら内心同情していた。



「………」



頑張れ、委員長。私は何の発言力も持たないから役に立たないが、頑張って君の力でクラスを一つに纏めるんだ…!ここは私も心を鬼にして君を崖から突き落とすぞ!



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