翌朝、空は見事なまでの快晴であった。



「明理、お弁当持った?忘れ物してないわよね?」

「うん。大丈夫。じゃあ、行ってきます」



心地の良い風が緩やかに吹く中、重い足取りで学校へ向かう私はこれから己の身に降りかかるであろう不幸を前に小さく溜息を吐いた。

昨夜の私は、凄かった。いや、あの、そういう意味じゃなくて。


主成分の半分以上が生意気で出来ているジャイアニズムの塊ともいえる堀川に果敢に立ち向かったことだ。


…でも。


これからも私はあのテンションを保ちつつ、堀川達に逆らうことが出来るんだろうか。い、いや無理だ。本来の私の性格はチキンであり、そんなすぐに怒りの導火線が着火するワケでもないし…。



「………」



今日学校へ行ったらあのジャイ○ンは、私にどんな仕打ちを仕掛けてくるだろうか。



「……はあ」



昨日まで自信に満ち溢れていたはずなのに、今ではすっかりチキン石本野郎に早変わりだ。流石十年以上いじめられてきた私。いじめられっ子気質は抜けきれないというワケか。



「…い、いやッ!!」



私はぶんぶんと首を横に振り、徐々に不安を募らせていく弱気な自分を咎めた。


そうだ。

私は生まれ変わったんだ。

弱気になってはいけない。

現に昨日だって堀川から眼鏡を奪還したんだから!

頭の中で一人ミュージカルを繰り広げている間に、すでに高校は目の前まで来ていた。



「…よし…!」



そして拳を強く握った私は「うらあッ!!」と勿論心の中で声を荒げ、気合を入れたままで校舎に足を踏み入れた。




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